はじめに
筆者が ORPHIC(オルフィック)と出会ったのは約 4年前。昔の勤務先が南青山だったということもあり仕事帰りによく表参道・青山をブラブラしていた。そして、ある日の仕事帰り、たまたま青山の 1LDK に立ち寄った。その時が ORPHIC との初めての出会いだった。1LDK に入った瞬間、焦げ茶のウイングチップの革靴に、ゴツい緑の Vibram ソールがくっついてる見たこともないシューズが目に飛び込んできた。一瞬で心奪われたのを今でも覚えている。そこから ORPHIC のことが好きになり毎シーズンチェックするようになった。
そして今回、LIFEWARES Salon の正式リリースに合わせて ORPHIC の特集を絶対やりたいという思いがあり、取材依頼の連絡をしたところ快く引き受けてくれ、2016 Season Two の展示会を取材させてもうことが出来た。
そして、ORPHIC の創業者でありデザイナーの白川貴善さんにもお話を聞くことが出来た。
About ORPHIC
まずは ORPHIC について説明する。
2010年ウイングチップの革靴とスニーカーソールをミックスさせるという今までの概念を覆すシューズを考え、サンプルを作成したのが ORPHIC の始まりである。そして、その時に作ったサンプルの型が ORPHIC の代名詞とも言える「HELLION」である。
そして、この「HELLION」が 1LDK に置かれるようになって一気に広がっていった。
スニーカーの木型は一切使わず全て革靴の木型を使用し、着用した時のシルエットを大事にしている。そして、製造はパーツによりスポーツメーカー、革靴と分けた工場を使っているためクオリティは保証されている。
筆者も持っているが、非常に履き心地がよく長距離歩いても全然平気だ。そして何より長年履いても全く劣化しないクオリティの高さが非常に魅力的である。
素材に関しては、国内やヨーロッパの厳選した上質なレザー、そして欧州の自動車メーカーなどで使用される工業資材なども取り入れている拘りぶりだ。
取り扱い店舗に関しては、日本国内だけではなく韓国や中国にも卸している。そして、アメリカやヨーロッパ、中東などからも問い合わせが来ている。
ORPHIC は間違いなくグローバルで通用する数少ない国内シューズブランドである。
No Theme – シーズンテーマを設定しない
今回、白川さんにお話を聞いて一番驚いたのが、「シーズンテーマを設定しない」ことだ。筆者は今まで色々なアパレルや雑貨の企画やデザインをしてきたが、どのブランドも必ずテーマを決めていたので非常に驚いた。しかし、理由を聞いて納得した。この「シーズンテーマを設定しない」という理由は、「上に着る洋服を選ばないため」だそうだ。シューズにテーマという規制を持たせると着る服を選んでしまうからだ。あくまでシューズは脇役で洋服を引き立てる役目だということだ。確かに筆者が持っている「HELLION」はジーンズでもチノパンでもスウェットパンツでも合う、非常に万能なシューズだ。
そして、白川さんから「靴屋に置くシューズではなく、服屋に置くシューズをコンセプトに作っている」と聞いて、テーマを設定しないことで各ショップに溶けこんでいるのだと実感した。
2016 Season Two Exhibition
ORPHIC 2016 シーズン 2 展示会レポート。
まずは展示会場の全体感。ウッドのナチュラルな色と白の什器を基調としており ORPHIC のシューズが非常に引き立っている。型数は最低限に絞られている。その分 1型 1型に拘りを詰め込んでおり商品力が非常に高いコレクションになっている。
それでは、いくつかのモデルをピックアップし紹介していく。
HELLION PREMO
ORPHIC の代名詞とも言える定番の型だ。10年後も 20年後も在り続けるであろう完成された名作モデル。
上質なレザー、ウイングチップ+メダリオン、そして Vibram 社の FASTER ソール。洗練されたアッパーデザインにカジュアルなソールを組み合わせた完璧なミックスシューズだ。
今期はカウレザーを使用したブラック(グレーソール)とホワイトの定番に加え、スモーキーなグレーとブラック(ブラックソール)を展開。ブラックソールは非常に新鮮且つクールでひときわ目を惹いていた。
様々なテイストのファッションに合いスタイリングの幅が広がるので 1足は持っておくべきシューズだ。
HELLION PREMO
Price : ¥35,000(+TAX)
Col : Black/Gray Sole
Col : Black/Black Sole
Col : Smoke Gray
Col : White
Men’s / Ladies’ 9月展開
HELLION
今期は洗練されたデザインの中で素材と色をうまくミックスし遊び心を出している。
高級車に使用されるアルカンターラと各素材のコンビと、鮮やかなサンドカラーにブラックソールをミックスさせた 2色展開。ソールはこちらも Vibram 社の FASTER を採用。
どちらのカラーも新鮮でスタイリングのアクセントになるシューズだ。
HELLION
Price : ¥28,000(+TAX)
Col : Gray/Black
Col : Desert
Men’s / Ladies’ 9月展開
HELLION SOC
今期より登場した新モデル。HELLION の特徴であるウイングチップ+メダリオンのディティールは残し、スリッポン構造にアップグレード。インナーはハイテクスニーカーの構造を取り入れ、カジュアルさを出したモデル。ヒール部分を低くしており履きやすさも考えられてデザインされている。素材はアルカンターラを使用しており、カジュアルなデザインだが品を損なわないよう配慮されており様々なファッションに向けたシューズとなっている。
HELLION SOC
Price : ¥27,000(+TAX)
Col : Black
Col : Navy
Col : Gray
Col : Natural
Men’s / Ladies’ 9月展開
OPINE 2
OPINE をアップグレードさせた新作モデル。履き口をスリッポン構造にし、着用時の快適さを向上させた。低反発の EVA クッショニングを採用し履き心地も考えられている。レザー/スエードにアルカンターラや工業用資材のナイロンニットをうまく組み合わせたカラー展開となっている。タンの部分には ORPHIC の刺繍が施されており細かな部分も非常に拘っている。そして、ソールは ORPHIC オリジナルだ。ボリューム感や配色、履き心地も考え抜かれておりアッパーデザインとの相性は完璧である。
OPINE 2
Price : ¥26,500(+TAX)
Col : Black
Col : Mix Knit
Col : Natural
Col : White
Men’s/ Ladies’ 8月下旬以降展開
CG2 PREMO
定番の CG2 モデルにカウレザーを採用したハイグレードモデル。以前のモデルからステッチなどに改良を加えたネオプレーン・ソックライナー+ストラップでホールド感はキープ。そして、通気性も以前のモデルより向上させ、進化したアップデートを施したモデルである。アッパーのパンチングがポイントになっている。ソールはホールドシステムを搭載した ORPHIC オリジナルの EVA システムを採用。素材、デザイン(ディティール)、履き心地、全てにおいてトップクオリティなモデルである。
CG2 PREMO
Price : ¥34,000(+TAX)
Col : Black
Men’s/ Ladies’ 8月下旬以降展開
CG2 HQ
アルカンターラの中でもグレードの高い生地や、高密度の杢糸を使用したメルトンを落とし込んだ CG2 の新バージョンモデル。ホールド感や通気性の向上は CG2 PREMO と同じだ。ソールはホールドシステムを搭載した ORPHIC オリジナルの EVA システムを採用。トレンドであるモノトーンで構成したカラー展開となっている。このモデルのホワイトが今回のラインナップの中で 1番のお気に入りだ。見た瞬間いろいろなスタイリングが頭に浮かんだ。ブラックの分量が絶妙で、名作としか言いようが無い。
CG2 HQ
Price : ¥27,000(+TAX)
Col : Black
Col : Gray
Col : White
Col : Natural
Men’s / Ladies’ 8月下旬以降展開
CG TT
CG をアップデートし、ソック・インのような感覚で履くことのできる 2016SS からの新モデル。ホールド感は、ネオプレーンソックライナー+ストラップでキープし、スニーカーを感じさせる快適な履き心地となっている。アッパーの素材や色に関しては、ユーザーのファッションテイストに合わせられるよう様々なバリエーションを提案。このモデルでもブラック×ブラックソールを展開している。オールブラックは今期のキーワードとなるだろう。個人的にはブラウン(キャメル)×ブラックの配色が非常に新鮮に感じた。ソールはホールドシステムを搭載した ORPHIC オリジナルの EVA システムを採用。このモデルは様々なスタイリングが楽しめ、メンズ・レディース問わず人気が出そうだ。
CG TT
Price : ¥23,000(+TAX)
Col : Black
Col : Black Suede
Col : Mix Knit
Col : Brown
Col : White
Men’s/ Ladies’ 8月下旬以降展開
今回、展示会取材や白川さんにお話を聞かせて頂いて 1番感じたことは、革靴の概念とスニーカーの概念を一度破壊して、革靴のもつ洗練さとスニーカーのもつカジュアルさのバランスを思考・研究し、究極のミックス=クロスオーバーを追求していることが伝わってくるモノ作りをしているところだ。
是非、次回の展示会も取材させて頂き、いろいろな方へ伝えていきたい。
ORPHIC Information
ORPHIC Website
ORPHIC Online Store
ORPHIC 取扱店舗
上記をチェックして頂き、近くに店がある方は是非お店に行き、見て、触って、そして、履いてもらいたい。
各モデル、ユニセックス展開となっているので、もっと多くの女性の方にも ORPHIC の素晴らしさを知って頂きたい。
All Photos ©LIFEWARES Inc.
LIFEWARES Staff
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