はじめに
今年で SPINGLE MOVE が誕生して 15年目。
ファッション業界が下火の現在、15年も続いているのは本当に凄いことだ。
そして、この下火の中、スピングルの売上は右肩上がりだ。伊勢丹新宿店メンズ館のB1Fの紳士靴売り場で名だたるブランドを抑え、いつも売上上位に入っている。
決して安くはないのに右肩上がりなのは、SPINGLE MOVE の品質の高さとスタイリングに合わせやすいデザインにあるのだろう。
「一度履くと、もう他のスニーカーは履けない」
きっと、こう思う顧客が多いに違いない。
今回、SPINGLE MOVE 15年目を記念して特集を組ませて頂いた。
先月行われた SPINGLE Fall/Winter 展示会、そして先日、千駄ヶ谷にあるプレスルームに取材に行き色々な話を聞いてきた。
この記事を読めば SPINGLE の徹底したこだわりが分かって頂けるだろう。
About SPINGLE MOVE
今では伊勢丹新宿店メンズ館をはじめ、全国のセレクトショップや様々なショップで目にするので知っている方も多いと思うが SPINGLE MOVE について説明しておく。
SPINGLE の名前の由来は、「SPIN-回転」「ING-現在進行形」「GLE-グルグル回る」を掛け合わせた造語である。
沿革
1997年スピングルカンパニーが広島県府中市(備後地区)で設立。工場に関しては約 80年の歴史がある。そしてシンプルだが、ブランドの特徴があり、流行に流されないスニーカーを作ると決め、試行錯誤を繰り返し、今でも定番のモデル “SPM-101” が完成し、2002年に SPINGLE MOVE ブランドが誕生した。
「職人の街から世界へ」
初めはデザインが余りにユニークすぎて受け入れられず取り扱いショップもなかなか決まらなかった。しかし、2004年転機が訪れる。パリコレクションにスピングルが取り上げられたのだ。そこからデザイナーズブランドと次々とコラボレーションするようになり知名度が上がっていった。
ここから SPINGLE MOVE の快進撃が始まる。
ヴァルカナイズ製法
スピングルムーヴ=独特なフォルムのソールとイメージする人が多いだろう。
これはヴァルカナイズ製法で作られており、ソールとアッパーの結合性が強く、底が剥がれにくい、型が崩れにくいという特性を持っている。
ヴァルカナイズ製法とは、アッパーと、ゴムソールを加硫釜で接着・成型(硬化処理)する製法で、1839年にアメリカの発明家チャールズ・グッドイヤーが発明したスニーカーの基本製法である。
ヴァルカナイズ製法は基本的に職人の手作業で行うため、労力と時間がかかり生産効率も非常に悪いため、その数は年々減少し、現在日本でヴァルカナイズ製法を行っているのはスピングル含め 3社しか無いと言われている。
素材・履き心地への徹底したこだわり
「通常スニーカーでは使用しない素材も使用」
SPINGLE MOVE では通常スニーカーでは使用しないレザーや多種多様なレザーや素材を使用している。天然レザーではカンガルーをはじめ、牛、馬、豚、ラクダ、ゴード(山羊)、クロコダイル、パイソン(ヘビ)、リザード(トカゲ)、珍しいものではイール(ウナギ)なども取り扱ってきた。レザーにもこだわっており、プリントやプリーツ加工、クロコダイル型押、靴ごと染める製品染めや、仕上げに靴を水洗いする洗い加工なども取り扱ってきた。
「快適な履き心地」
SPINGLE MOVE は素材や製法だけではなくインソールにも拘っている。化粧品のパフにも使われる柔らかい天然のラテックスラバーを採用している。復元力も強く、継続な履き心地を約束する。踵のカウンター部分も革靴に使用される芯材で踵を固定し、長距離歩いても踵がぶれず疲れにくい工夫を施している。
筆者は SPINGLE COMPANY のスニーカー 2足を持っているが、履き心地が本当に良くインソールのクッション性が疲れを低減させてくれる。
そして、何よりスピングルのスニーカーは長年履いても全く壊れない。巷にある加硫のスニーカーは数回履くとすぐに剥がれるが、SPINGLE では一度も剥がれたことがない。
本当にハイクオリティなスニーカーブランドである。
2016 Spring/Summer Collection
先日プレスルームに取材に行った際、SPINGLE の春夏コレクションを見せて頂いたのでいくつかピックアップして紹介する。
SPINGLE MOVE
SPM-110
SPINGLE MOVE の代表的なモデルであり、1番の人気モデルだ。
素材は SPINGLE MOVE では定番となっているカンガルーレザーを採用。カンガルーレザーは、伸縮性があり足にフィットし、強度が高く軽い、という特性がある。野球やサッカーのスパイクでも使用されている。日本人の足に合うよう設計されており、非常に履きやすい。シンプルなデザインのため、男女問わず様々なスタイリングに合わせやすい。
そして、SPM-110 IVORY の売り上げ金の一部が、東日本大震災の復興支援金として使われる「アドボートジャパン」とのコラボレーションが形となった。
詳細はこちら。
http://www.spingle.jp/adbort/adbort.pdf
SPINGLE MOVE SPM-110
http://shop.spingle.jp/fs/sneaker/c/SPM-110/
SPM-247
SPINGLE MOVE の今期のテーマが “ポタリング”。自転車で気の向くまま散策するのにぴったりな SPINGLE MOVE を、というコンセプトで生まれた、「ONOMICHI U2」とのコラボレーションモデル。デザインの随所にサイクリングする上での工夫がされている。シューレースが巻き込まれないようアシンメトリーにし、リフレクターも装備し、通気性を考えパンチングレザーを使用。非常にこだわり抜かれたコラボレーションだ。
About ONOMICHI U2
https://www.onomichi-u2.com/
SPINGLE MOVE SPM-247
http://shop.spingle.jp/fs/sneaker/c/SPM-247
SPM-290 / SPM-179
デニムの産地である岡山県井原市産のデニムを使用したモデル。柄はトレンドでもあるドット柄を採用。型は巻き上げソールの SPM-290 とスリッポン型の SPM-179。スリッポンは、甲にあたるアッパー部分のサイドにゴムを施しサイドゴアタイプにすることで、より履きやすい仕様にしている。また、履き口にパッドが入っているので、足首周りが包み込まれるような感覚で歩けるのも魅力。SPM-290 の赤いハトメ、こういうニクい演出が非常に SPINGLE MOVE らしい。スリッポンに関してはゴムとフォクシングテープをドットの色に合わせることで全体を引き締めている。
SPINGLE MOVESPM-290 / SPM-179
http://shop.spingle.jp/fs/sneaker/c/dot_denim
SPM-384
このモデルは筆者お勧めである。シンプルでありながら存在感のあるモデルだ。切れ目を入れた一枚革に、紐状に裁断した皮を手作業で一本一本差し込みながら編む“挿し編み”と呼ばれる製法で、大変手が込んだ仕様となっている。手間と時間をかけて作られたプレミアムモデルだ。
SPINGLE MOVE SPM-384
http://shop.spingle.jp/fs/sneaker/c/SPM-384
SPM-442
このミッドカット+サイドゴアのモデルも SPINGLE MOVE では非常に人気が高く定番となっている。履き心地だけではなく、脱ぎ履きのしやすさも追求している。素材は SPINGLE MOVE では定番となっているカンガルーレザーを採用。カンガルーレザーは、伸縮性があり足にフィットし、強度が高く軽い、という特性がある。野球やサッカーのスパイクでも使用されている。
SPINGLE MOVE SPM-442
http://shop.spingle.jp/fs/sneaker/c/SPM-442
SPINGLE nima
SPINGLE nima(スピングルニーマ)は、2010年に誕生したレディースラインだ。
nima とはチベット語で、「太陽」を意味し、移り変わりの早いこの時代、流されることなく自分のスタイルを楽しむ女性たちに向けて生まれた。
SOFIA / NIMA-721
ポインテッドトゥのシャープなスリッポン。美しいホワイトのゴード(山羊革)エナメルをベースに、春の花をちりばめたようなカラフルな柄がランダムに入っている。サイドのゴアはデザインポイントと共に、足入れの良さにも貢献している。
筆者はこの靴を見た瞬間、思わず「可愛い」と言ってしまった。非常に春らしくて、気持ちもアガるスリッポンだ。
SPINGLE nima SOFIA / NIMA-721
http://shop.spingle.jp/fs/sneaker/c/sofia/
SOFIA / NIMA-720
こちらは NIMA-721 の無地タイプだ。牛革のガラスレザーを採用。光沢があり非常に品があり、様々なスタイリングが楽しめそうだ。
SPINGLE nima SOFIA / NIMA-720
http://shop.spingle.jp/fs/sneaker/c/sofia/
GIULIA / NIMA-719
ポインテッドトゥのレースアップモデル。カンガルーエナメルレザーを採用。サイドゴアもポイントになっている。履き心地、脱ぎ履き、共に快適。このモデルも春らしく、パンツスタイルでもスカートでも楽しめそうだ。個人的にはピンクが非常に可愛かった。
SPINGLE nima GIULIA / NIMA-719
http://shop.spingle.jp/fs/sneaker/c/giulia/
EMILI / NIMA-804
このサンダルにはトレンドが全て詰まっている。ミニマルなデザインに、スネーク柄のプリントと箔プリント。ハンドメイドの温かみとミニマルなデザインが見事にブレンドされている。ベルトはベルクロ仕様なので微調整が可能だ。履き心地も追求されており、ライニングをマイクロファイバーにすることで、足当たりが柔らかく、素足で履いても滑りにくくなった。さぁ、これを履いて海に行こう!
SPINGLE nima EMILI / NIMA-804
http://shop.spingle.jp/fs/sneaker/c/emili/
GRACE / NIMA-805
オープントゥのコルクウェッジヒールサンダル。シボ感のあるゴートレザー(山羊革)をしているためカジュアル感が増している。こちらもライニングにマイクロファイバーを採用しており履き心地を考慮している。バックベルトは3段階の調節が可能なためフィットさせることが出来る。
SPINGLE nima GRACE / NIMA-805
http://shop.spingle.jp/fs/sneaker/c/grace
VICHY / NIMA-125 NIMA-139
nima の定番モデル VICHY。アッパーとソールの境目を目立たなくし、シャープなシルエットに仕上げているモデルだ。NIMA-125 WHITE は、カンガルーエナメルレザーを使用しソフトな仕上がりになっている。
NIMA-139 OFF WHITE は、軽量耐久性があるピッグシルキーレザーの革の裏面を細かなサンドペーパーで擦り起毛仕上げをした高級素材をベースに、その上からスネーク柄の転写プリントを施した、非常に贅沢な素材を使用。
どちらも、ラテックスタイプのインソールはソフトな足あたり&薄く馴染みの良いレザーが足に程よくフィットし、長時間履いても疲れにくい設計になっている。
SPINGLE nima VICHY
NIMA-125 NIMA-139
http://shop.spingle.jp/fs/sneaker/c/vichy/
SPINGLE Biz
SPINGLE Biz は、「ビジネスを、もっと自由に心地よく」をテーマに、履き心地・遊び心・上質感を追求したブランドで 2012年に誕生した。ビジネスシューズの常識を覆す「スニーカーのような履き心地」「幅広いデザイン性」を兼ね備えたブランドだ。
BIZ-309
ウォータープルーフレザー(防水レザー)を採用したストレートチップシューズ。洗練されたデザインだがレザーを断ち切りにしていることで少しだけカジュアルな雰囲気もあり、オンだけではなくオフでも履けるシューズになっている。そして、SPINGLE Biz らしく革靴とスニーカーの機能性を見事に融合している。長時間歩いても疲れにくい高反発のカップインソール、そして、靴内は蒸れにくいように吸湿、透湿、抗菌処理した高機能ライニングが靴内の環境を強力にサポートしている。
SPINGLE Biz / BIZ-309
http://shop.spingle.jp/fs/sneaker/c/Biz-309/
BIZ-108
こちらもウォータープルーフレザー(防水レザー)を採用している。SPINGLE Biz では人気の高いサイドゴア仕様のブーツモデルだ。ソールは SPINGLE MOVE でお馴染みの巻き上げソールだ。色がアッパーと馴染んでいるためオンとして使用しても問題ない。クラフトマンシップを感じる仕上がりになっている。このモデルも、長時間歩いても疲れにくい高反発のカップインソール、そして、靴内は蒸れにくいように吸湿、透湿、抗菌処理した高機能ライニングが靴内の環境を強力にサポートしている。
SPINGLE Biz / BIZ-108
http://shop.spingle.jp/fs/sneaker/c/Biz-108/
BIZ-109
人気の高いチャッカブーツモデル。こちらもウォータープルーフレザー(防水レザー)を採用している。このモデルもオン・オフともに様々なスタイリングが楽しめるシューズだ。シンプルなデザインだからこそ、縫製をきちんとしないと安っぽく見えてしまう。さすがは SPINGLE Biz。クラフトマンシップを感じる完璧な仕上がりである。こちらは、SPINGLE MOVE と同じラテックスラバーのインソールを採用。そして、靴内は蒸れにくいように吸湿、透湿、抗菌処理した高機能ライニングが靴内の環境を強力にサポートしている。
SPINGLE Biz / BIZ-109
http://shop.spingle.jp/fs/sneaker/c/Biz-109/
さいごに
全モデルは紹介できなかったが、筆者が気になったモデルを紹介させてもらった。
オンラインストアの URL も一緒に記載しているが、人気があり売り切れているのもあるので、それはご了承頂きたい。
2016 Fall/Winter Collection に関しては、展示会には伺ったが、まだ公開できないため、発売前にまた特集を組もうと予定しているので、お待ち頂きたい。
SPINGLE COMPANY には、これからも素材や加工開発、新しいデザインなどに挑戦し続けて、私たち消費者を驚かせ、楽しませて欲しい。
いつか、備後の工場に伺い、職人の方のお話を直接聞いてみたい。
まだ SPINGLE COMPANY の靴を履いたことがない方は、是非履いて頂きたい。
きっと、一度履くと、恋に落ちます。
そして、最後に告知を。
SPINGLE MOVE 15周年を記念して、4/16に発売されたモノ・マガジンに、SPINGLE MOVE 特集が 36P に及び載っている。
36P なんて前代未聞である!
是非、書店に行きチェックして頂きたい。
All Photos ©LIFEWARES Inc.
LIFEWARES Staff
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